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テーマは「死」マーラー交響曲第9番ニ長調

マーラー交響曲第9番は、私が今一番大好きな曲です。「大好き」というより、最も探究心が駆り立てられる音楽、と表現するのが一番相応しいかも知れません。手元のCDを数えてみたら、2006年12月現在でこの第9交響曲の録音CDは8枚もありました。マーラーに興味を持ってから半年も経っていないので、この数は多いと思います。 また最近はより深くこの曲を理解したいとミニチュアスコアまで買ってしまいました。

テーマは「死」?

この第9交響曲は、「死」を連想させると言われています。またここでいう「死」とは、マーラー個人の「死」ではなく、万人、世の中一般の「死」のことであり、マーラーが死の恐怖に怯えながら作曲したという説は誤りだというのが、伝記作家たちの見解だそうです。

しかし、この曲を聴いて本当に「死」を連想するのでしょうか。私はいつもCDのブックレットや解説書を片手に聴いているせいで、そういうものだと思って聴いていましたが、正直なところわかっていないかも知れません。

「引用」される対象は必ずしも形をなす旋律であるわけではなく、むしろ、ある内容と関わる音楽の特徴(たとえば節まわしや旋律構成のパターン)だけを引用するような手法が多用されており、それは特定の旋律の引用というよりは一般的な性格の引用と呼ぶ方がふさわしい。

ブルックナー・マーラー事典(東京書籍)

なるほど、誰もが知っているレクイエムや葬送行進曲のフレーズをそのまま引用しているのではなく、音楽的特徴だけを取り入れ、聴いている人はその印象、雰囲気から、無意識の内に「死」を連想させられるというものだそうです。日本のホラー映画に水がよく使われるのと似ていますね。

結局のところ、「死」を連想できる人は、西洋人または西洋文化を熟知している人になります。 ヴァイオリニストの諏訪内晶子さんが現在フランスで生活しているのも、ヨーロッパ文化そのものを体感し、作曲者の意図を十分理解するためなのだとわかりました。 マーラーの音楽をもっともっと理解したければ、ウィーンで生活しなきゃいけないのかなぁ。

よく聴いているマーラー交響曲第9番ニ長調

小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏

最近はスコアを読み、DTM用シーケンサソフトで打ち込みなどしています。その際、一番参考になるのが、録音が一番綺麗で細部の音まで確認できるこのCDです。やはり日本の技術はまだまだ世界に通用するものだとつくづく思います。

レナード・バーンスタイン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏

このCDが発売されるまで、伝説の名演と呼ばれていた録音だそうです。所々バーンスタイン本人と思われる声が聞こえてライブ録音らしさが伝わってきます。

また、第3楽章は、苦悩と喧騒に満ちた、空しい現世の営みのカリカチュアなどと言われていますが、この説明に最も当てはまる演奏がこのCDの第3楽章だと思います。

Posted at 2006-12-20