2008年ブラジル滞在日記 その4  by Keiichi YAMAZAKI
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13 モータリゼーション
 とにかく、自動車が増えている。要因は3つ。第1にマクロ経済が安定化して、インフレがなくなり、それで自動車ローンが普及したのである。ハイパーイン フレだと、貸した方が損するから、ローンの提供が商売として成立しなかった。借りたほうは得するが。ハイパーインフレがなくなったので、自動車ローンで車 を購入する人が増えたのである。第2にクラスCという中間層の膨張。第3に、2と関係するが、好景気。国際的な資源ブーム(国際価格の高位安定)も関係し ている。
 クリチーバ市は都市計画がしっかりしているので、ほとんどの道路に歩道がある。標識類は、kmの国なので(米国のようなmileではない)、楽だが、運 転は左右が反対である。自動車のハンドルは左に0ついているし、道路は右側通行である。だから交差点では、まず「左をみて、右をみて、また左をみてから」 渡る。とくに左後ろから右折してくる車が、こわい。後ろから跳ねられる危険性がある。 ドライバーのマナーは、まあ横浜並み。つまり悪い。横浜って、ほん とうに自動車がとばす。わたしなど、いつも後ろからライトで早くいけと、急かされる。パッシングされたっていうんでしたでしょうか?クリチーバは世界的 「環境都市」なのだが、自動車社会になってきていて、都市政策は大きなターニングポイントをむかえていると思う。これまでは無縁だった渋滞も、ここ数年増 えているらしい。

14 シャワーと風呂桶
 これは、ブラジルのシャワーである。ブラジルはだいたいこのパターンで、電気で加熱する。水を出しすぎると、温度が下がる。熱い湯をあびたければ、水量 を減らす。微妙に調節しながら、シャワーを浴びる。温度を上げると、湯量が減るので、結構ホテルでは寒かった。現在は、知り合いのコレイアさんの別宅に ホームステイさせていただいているが、ストーブがあるので(ホテルはなかった)、それで部屋をあたためてはいるから、寒くはない。コレイアさんは親日家で もあるし、奥様は在クリチーバ日本総領事館勤務の日本人でいらっしゃるので、お風呂好きで、ご自宅にはお風呂がある。写真は、コレイアさんのご自宅で使用 中のものではなく、たまたま余っている風呂桶だ。これは普通のブラジル人の家庭には、従来はなかった。ただし最近お風呂がブラジルでも普及しつつあるらし く、写真の風呂桶が市販されていると、コレイアさんからきいた。
shower yubune

15 IBAMAのクリチーバの支部
 これは、連邦環境保全機関の一翼をになうIBAMA(イバーマ)の、クリチーバ支部である。たいへん立派な建物で、Rua XV de novembro(11月15日通り)にある。11月15日は19世紀末にブラジルが帝政をやめて、連邦共和国に移行した日である。ちなみに、独立記念日 (1822年)は9月7日で、Rua Sete de Novembroというのも市内にある。
 ここで、ポルテスさんという女性の環境保全官に取材した。ほぼアポ無しの飛び込み取材だったが、あってくれた。最近は、友達のネットワークをつかってア ポをとっていくのが面倒になってきて、そういうアポもとってはいるが、それ以外に、飛び込みのアポ無し取材に近い形式の取材も、やっている。つまり、街を 歩いていて、いきなり飛び込んで、そのときすぐにあってくれれば、そのまま取材するし、忙しいようなら、別の日のアポをその場でとってもらう。
 ポルテスさんは森林保全の専門家で、現在はクリチーバ大都市圏の自然公園つくりを担当されている。IBAMAは森林の違法伐採を取り締まる機関でもあ り、いわゆる森林警察の役割もになっている。取り締まりには、武装していくそうで(armado)、彼女も少しだけ経験あるが、怖いらしい。でも経験はみ じかかったので、犯罪者と対面した経験はないという。
 IBAMAは、全国で5000人の職員をかかえていて、うち1000人がブラジリアの本省に勤務している。さて森林取締官はパラナ州で10人ほどらし い。その10人のほとんどが現在他州の応援にでていて、いまパラナ州で違法伐採を監視する人がいないという。しかし違法伐採や不審な森林火事があいつぎ、 森林破壊はパナラ州でもとまらないという。IBAMAは森林管理官が不足していて、違法伐採や乱開発の取り締まりができていないと、本でよんでしっていた が、パラナ州では現在取締官がゼロだとして、今更ながら唖然とし、問題の深刻さを実感した。
 ポルテスさんはIBAMAの職員ではなく、新しくできたICMBIO(「シコ・メンデス・バイオ院」とでも仮訳しておく)へ人事異動で移ったらしい。昨 年、2007年にできた新組織で、熱帯林保全に取り組むが、建物は従来どおりIBAMAの建物の軒を借りているらしい。シコ・メンデスというのは、国連環 境賞もとった世界的に有名な森林保全活動家で、開発派の大土地所有者に暗殺された。ICMBIOは、その名前にちなんだ新しい連邦機関である。
ibama
  以前に、日本で調べて論文に書いたことだが、ブラジルのアマゾン地域での森林破壊もすさまじく、1970年代以降毎年1万平方kmから3万平方kmが消失 している。1995年がピークで、その年に3万平方kmが消えた。東京都の面積の約15倍だ。その後、消失速度はあがったり、さがったりしている。 1988 ~2003年までの累積消失面積は約26万平方kmだが、これは日本の国土の約7割にあたる。ブラジルの熱帯林保全は、待ったなしの状況であるが、ルーラ 労働者党政権の取り組みが十分に有効であるようには見えない。

16 クリチーバ市の目抜き通りの寿司屋さん

 目抜き通り(金融街)のRua Mal.Deodoro通りにある、Taisho Expressという、寿司屋さんへいった。一番右のは、「バナナのチョコレートソースがけ巻き寿司の揚げもの」である。となりは、たしか、おそらく、 「イチゴのココナッツクリームがけ巻き寿司の揚げ物」である。ほかはおいしかった。とくに左端は、わかりにくいかもしれないが、ウナギで、表面がかりかり するまで焼いてあって、香ばしく、こういうウナギの握りはおおいにありだと、感激した。いくつでも、口に運んでしまう。しかし「バナナ~」には、ちょっと まいった。慣れないので、舌が麻痺してしまったような感じで、あとでたべた隣の「イチゴ~」がはたして本当にイチゴだったかどうか、ホントにココナッツク リームだったかどうか、自身がない(笑)。
taishoexpress

17  ブラジルでも、平面TVが売られている。
 下は、電気や生活用品の量販店でみかけたもの。平面薄型テレビが、普及しはじめている。でもむろん、高い。

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