新 発 見 !!!

35万年〜30万年前のアマゴ(ヤマトマス)は

恐竜のような歯を持っていた

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大分県玖珠郡に約50万年前に誕生した、東南および北西方向20Km、巾約5Kmという細長い湖に 約35万年前から30万年前に、火山活動や地震による地殻変動によって、アマゴ域の大分川から 河川争奪によって筑後川水系玖珠川の湖や流入河川域に取り込まれ、その後、他の淡水魚(タナゴ類、 ニゴイ類、オイカワ類)とともに大繁栄していた創期(Original Stage)のアマゴ(ヤマトマス)がいた。
 頻発する火山活動により崖くずれや洪水などにより、冷水中で斃死した魚体は速やかに土砂に埋没 され、枯死した強酸性の珪藻堆積層の中で、魚体の動物性蛋白質の自然消化による、アルカリ化によ りアバタイト沈殿をもたらし、魚体が核となって燐酸ノジュールの形成が行われたと考えられている。
 また、10万年前に鹿伏(かぶし)、小倉、阿蘇溶岩によって、この化石が発見される野上層の上に 固く覆われたことも化石保存形成に幸運であったという。
このように現地からは、世界でも珍しいサケ科魚化石、それも緻密なほど立派に遺骸が保存されている 化石が沢山発掘されてきた。

 昨年5月から本年4月にかけ3回にわたり現地を訪れ、玖珠町塚脇在住の化石蒐集家で研究者でも ある高山明紀氏のご厚意を得て、数十の標本を観察、撮影し得る機会があり。現生種(Present Stage)の アマゴ(ヤマトマス)とこの創期(Original Stage)のものと比較し得ることができ、前記のごとき 発見につながった次第です。ここに写真数枚をご供覧のため掲載しました。
 また、付記するのは、この創期(Original Stage)のものは成熟雄と思われる大型個体でも"鼻曲り" をしたものは見当たらなかったということです。同様の報告は「タイワンマス」でも見られます。

2011・4・29  吉安 克彦 記

 
全長 31cm大
左の頭部拡大
全長45cm大 3年魚
左の下顎拡大
全長 40cm大 3年魚
脱落した大きく鋭い顎歯と牙歯
および脱落歯槽部(上顎)、歯根孔(下顎)
標準全長 50cm大 推定4年魚
サクラマス雌 (現生種) 全長 60cm大 3年魚
2011年5月8日 釧路沖定置網にて採捕

歯は針状、細小化しているが、鋭利でえさの捕食
には化石種の歯よりも効率がよく、実用的に適応
進化したと考える


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