『納経帳』って何?

 

知多四国 納経帳

祈願のために、書写したお経を納めることを納経といいます。
納経すると寺より納経の証として宝印の印影が授けられます。
印影は朱色ですから、ご朱印ともいいます。
通常ご朱印というと、納経を省略し参拝の証として宝印を受けることをさします。

決して観光記念の「スタンプ」ではありません。

四十五代、聖武天皇は深く仏教を尊敬され、王城鎮護、万民豊楽のため、各国に国分寺を建てられました。

昔は六十六ヶ国の各寺院を巡拝し、此処へ一部づつ、写経(書写した経巻)を納めたもので、これを六十六部の奉納経と称しました。

写経の功徳は信仰の中でも最大のものと尊ばれ、香を薫じて、心静かに経文を浄写して、信じる仏さまに奉納すれば、仏さまの方も哀愍納受されたとして、寺院よりその証、「宝印」を授けられたものと伝わります。これがそもそも納経の始めで、集め綴ったものが「納経帳」なのです。

今では、ゆとりがなく、多忙の生活の中にあり、写経を納めることは極く一部の篤信者に限られてきました。それでも、心を込めて仏さまを礼拝し、たとえ心経一巻でも読誦した方には、写経を納めたものと同様とし、宝印を授けるようになりました。

この宝印を受けるということは、各寺院のご本尊さまの御分身をいただくと同じ意味で、これを生涯護持し、「朱」で染まる程に幾度も巡拝されれば、さらにその功徳は積まれ、諸仏諸菩薩のご利益に預かり、始めも知らぬ罪障はたちどころに消滅し、仏教不思議の妙護によって諸願成就は疑いなしと伝わります。

また、先に旅立たれた方の棺の中に納経帳を納め、閻魔王の通行手形として極楽往生の冥福を祈る風習もあります。

納経帳やご朱印帳はご自身のお守りとして大切にご奉持下さい。

 


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