日本周遊紀行



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 26日目:Part13(珠洲、内浦)  Part14(能都、七尾)へ     写真集W  日本周遊ブログ
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日本周遊紀行(218)珠洲 「伝説とロマンの里」


キリコ
須須神社の日本一のキリコ(資料)


祭の半島・能登、珠洲・・、

長手の岬からは所謂、能登半島の内側に入り込む内浦湾(富山湾)である、間もなく「蛸島」という小さな町に入った。

辿り着いた「のと鉄道」の終点の蛸島駅は、ボロボロで落書きだらけのコンクリートの駅だった。
田畑に面して細く延びてきたレールが途中で途切れていて、ホームから周囲を見渡せば海側の高台に「弁天公園」という展望台も見られた。 
内浦湾に沿って穴水駅から蛸島までは、直前まで「のと鉄道の七尾線」が結んでいた。 
だが2005年3月限りで全線が廃止されている。
廃線に向けた動きが出てきた頃、存続を求める沿線住民らで市民団体が結成され、激しい廃止反対運動が展開されたらしく、廃線が決定した後も復活に向けて現在も活動中であるという。 しかし、廃止後の代替バスの運行状況も芳しくなく、二社の路線とも利用者が少なく、難渋しているようである。
  

珠洲の市街に来たようである・・、 


市街といってもビルが林立するような喧騒の地ではなく、シットリとした緑豊かな、落着いた雰囲気の町並みである。
しかし、大昔の珠洲の町は昔は違ったようだ。 
一説には古代能登文化は此の半島突端の珠洲地区から発祥したとも云われる。  往時から出雲、佐渡、蝦夷と並ぶ海洋交通の主要地として、弥生期には出雲方面から鉄器文化を導入し、開田の営みも自ら促進していたことが伺えるとされる。


万葉集に・・、

『 珠洲の海に 朝びらきして 漕ぎくれば 
                     長浜のうらに 月照りにけり 』

大伴家持(奈良後期の天平時代)が能登国主を兼任した折、当地に来て珠洲湾の景勝を詠んだ有名な句である。 


珠洲市の「スズ」は、須須神社からの由来とされ、祭神が美穂須須見命(ミホ・ススミノミコト)で、そこから地名をとったと考えられてる。 ミホ=ミ(海とか神霊)、ホ(抜きん出て秀でている様)を指し、ススミ=烽(煙や火ののろしをあげる所)と解釈でき、「珠洲の地は、大海に突き出た地であり、海難等の海を守るため須須神社を奉り、この社にて狼煙を揚げて航海の安全を見守った」とする。 

その他、アイヌ語を語源とするという説も根強く、能登地方にはアイヌ語を語源とする地名が散見されると言われているが、能登のノットは”突き出たところ”であり、珠洲のスズは”先っぽ”という意味もあるようだ。
・・・の様に、珠洲は日本海へと伸びる能登半島の最先端に位置し、三方を海に囲まれている。 そして、この世界に存在する全ては海に生まれ、そしてやがて土に還る。 そんな神々の創造を強く感じさせる大自然がそこにある。 
珠洲市は神々を祀り、祭礼が盛大に行はれる宝庫ともいわれる。 


珠洲は、伝説とロマンの里・・、

祭りの主役はやはり「キリコ」に関係が多いらしく、飯田地区は「飯田燈籠山祭り」(7月20日・21日)、日本一の大提灯を囲む「ちょんがりまつり」(8月6日)、「宝立七夕キリコまつり」(宝立町・8月7日)、日本一の大キリコが登場する「寺家の秋祭り」(三崎町寺家・10月第1土曜日)、「奴振り」(正院町正院:9月15日)、「早船狂言」(蛸島町・9月11日:県指定無形民俗文化財)・・、と珠洲市内だけでもこれだけある。

能登地方(口能登、中能登、奥能登)においても、春夏秋冬合わせると、何と100以上もの祭り行事が存在するという。 
これはもう、この地方は年がら年中お祭りのようなものあり、能登地方の豊かな生活基盤、深い歴史観が存在すことが見て取れる。
  

鵜飼地区から内陸へ入ってしまったが、この先の海岸沖に見附島というのがあり、別名「軍艦島」ともいう。 
30mの高さの船縁(ふなべり)をもつ巨大戦艦が、こちらに向ってやって来るようであるという。
武骨な厳(いかめしい)しい名称の軍艦島に対して、こちらの海岸線は何ともロマンチックな「恋路海岸」と称している。 

地名に恋路とつけるあたりは、シャイな能登人の感覚が知れるが、確か伊豆半島のアッチの方にも「恋人岬」と言う地名が在ったようだ。
七尾線が走っていた頃は「恋路」(こいじ)という、艶かしい駅名も在ったらしく、若い女性には人気の的だったという。 

思えば、北海道の内陸地方にも「愛国駅」とか「幸福駅」があって、全国的なブームを巻き起こして有名になった駅があったが、こちらも当の昔に廃止になっている。 
ただ、今だに各駅前売店ではキップが販売されているという。 こちらの「恋路駅」はどうなんだろうか・・?。
  

この先、国道249号線の沿岸に「九十九湾」という景勝地がある。 
能登の海というと半島を東西に分けた海、外浦と内浦に囲まれていることは言をまたないが、この様相たるや全く異なるのである。 
冬の季節風がモロに吹きつける外海、能登金剛に代表される荒々しい景観が売りであるが、内浦は恋路海岸の如く穏やかで、優しいイメージの様である。 
その内浦のほぼ中央に位置する九十九湾(つくもわん)は、更に深く入り組んだ入江となっていて、湾の真ん中には弁財天を祭る蓬莱島が浮かび、日本百景の一つにも数えられる優美な景勝地として知られる。

次回、九十九湾

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日本周遊紀行(219)内浦 「九十九湾」

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九十九湾(つくもわん)
は、内浦のほぼ中央に位置する代表的リアス式海岸の小湾で、湾の中にも更に数多くの入江があるという意味で九十九湾という名があるという。 
湾の真ん中には弁財天を祭る蓬莱島が浮かび、日本百景の一つにも数えられる優美な景勝地として知られる。

ところで九十九というと、日本周遊を巡りつつある小生にとって、直に房総半島の九十九里浜や長崎・佐世保の九十九島を連想する。 
他に九十九の名が付く地域名や固有の名称が沢山あるようで、橋、曲、峠、山、森、沢、谷、塚・・等、「九十九」とは、概して「沢山ある」とか「大変長い」などを意味するという。 

又、中国では数にはそれぞれ意味があるとされ、九は最高の数を表すともいわれる。 九は漢数字で「久(または玖)」と書き、これは永久、つまり無限大を意味する。 
又、 「九十九」を「つくも」と読むのは・・?、「つくも‐がみ」と言うように、九十九髪、江浦草髪と書き、老女の白髪を云うらしく、

伊勢物語の歌に・・、

『 ももとせに ひととせ足らぬ つくも髪 
                    我を恋ふらし おもかげに見ゆ 』

(百年に一年足りない年寄りの髪の女が 私を恋い慕っているらしい面影が見える)


ツクモはツグモモ(次百)の意味で、百に一つ満たず九十九の意と見ている。 それを「百」の字に1画足りない「白」の字とし、白髪にたとえている。 

関連して白里、白浜、白潟などは広いとか長いとか大きいを意味し、そして、「白寿」の祝いは「百ひく一」つまり「九十九」の祝いであり、何れも、九十九の意味を示しているものである。


こちらの九十九湾は、これらの意味合いで何を表したものか・・?、
リアス式・溺れ谷の海岸線の総延長でも表したものか・・?、一説だと小さな入江の数が九十九とも云われるが・・?、定かでないがマーいいか・・!。


ここで、九十九に因んでチョットしたクイズ・数字遊びを・・、

江戸期に詠まれた短歌ですが何と読みますか・・?

『 三十十百九 三千百三三四八 一八二 四五十二四六 四百八三千七六 』・・??、

次に見覚えのあるこの読みは・・?、(読み易く、覚えやすいよ)

『 3.141592653589793238462643383279・・・ 』
・・??。

(答えは頁末)
  

序ながら、九の付く数字遊びに中国発祥の「麻雀」がある。 

4人のプレイヤーがテーブルを囲み、1から九までの同種4組のもの3種類と字牌を合わせた136枚の牌(麻雀用品のことを牌・はい、ぱい という)をやり取りして「役を揃えることを数回行い、得点を重ねてゆくゲームで、勝敗はゲーム終了時における得点の多寡と順位で決定される。

小生も若かりし頃よく遊んだが、未だ「九蓮宝燈」(ちゅーれんぽーとー)は達成していない。 
九蓮宝燈は一と九がそれぞれ3つ、二〜八まで1つずつが入っていて、つまり、一一一 二三四五六七八 九九九、の形で、麻雀は基本的には14枚で上がりなので、これで、あとの1枚は一〜九まで何でもOKで上がりなのである。 
九面待ちはダブル役満だよ・・!!、 上がり方で、最も美しい上がり方だといわれる・・!。 

エーッ・・、麻雀知らないって・・?、こりゃまた失礼しました・・!!。



数字遊びの答、覚えておいて・・!。

「里遠く 道も寂しや 一つ家に 夜毎に白く 霜や満ちなむ」

「産医師 異国に向こう 産後厄(やく)なく 産婦御社(みやしろ)に 虫散々闇に鳴く」



次回は、能都町・石仏山祭     Part14(能都、七尾)へ

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