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秋あがり ひやおろし」に同じ
荒走り(あらばしり)  上槽時、すなわち槽という搾り器を使って醪(もろみ)をしぼるときに、最初にほとばしるように出てくる部分の酒のこと。圧力を加えないで、最初に積まれた酒袋の重みだけで自然に出てくるもの。一般に固形分である滓(おり)が多く、アルコール度は比較的に低めで、切れ味が良い。
甘辛度  甘辛度(あまからど)は、清酒の甘辛の度合いを示す値。
 ただし、日本酒度と同様、味覚とは香りや、食べあわせ、体調などにより変わるので、これだけでお酒の味を語ることはできないのです。
 一般的には次のとおり。
非常に辛い  −3
かなり辛い  −2
すこし辛い  −1
どちらでもない 0
すこし甘い   1
かなり甘い   2
非常に甘い   3
大古酒 一年以上貯蔵・熟成された清酒には、貯蔵年数を表示することができ、酒造メーカーによって、古酒・古々酒・大古酒・熟成酒・秘蔵酒などの名称で販売している。
なお、年数と用語に関する統一された基準はない。
押し切り 上槽時、最後に出てくる部分。特に槽搾りにおいて、圧搾して出てきた部分。アルコール度は高く、かなり練られた濃い味。
おりがらみ  滓下げをしないままのもの。滓に含まれているや旨み、醪独特の濃厚な香りや味わいを楽しむために作られる。  関連:にごり酒


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生もとづくり
(生もと系)
 日本酒の製造過程のひとつである「酒母造り」の際に、乳酸を加えるが、その加え方により「きもとづくり(生もと系)」と「速醸系」に分けられる。
 「きもとづくり」は乳酸菌を自然から取り込みその乳酸菌に乳酸を作らせるものであり、昔ながらの伝統的な製法。
  この手法により作られた酒母を使うと、コクのある酒が作られると言われている。
吟醸  精米歩合60パーセント以下の白米、米麹および水を原料とし、吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの。
 低温で長時間かけて発酵させて造る。
 吟醸香と呼ばれる、リンゴやバナナを思わせる華やかな香りを特徴とする。
 最後に吟醸香を引き出すために使用する白米1トンにつき120リットル(重量比でおよそ1/10)以下の醸造アルコールを添加する。

吟醸酒のうち、精米歩合60パーセント以下の白米、米麹及び水のみを原料とするものを特に純米吟醸酒と言う。一般に、他の吟醸酒に比べて穏やかな香りである。
首吊り 上槽時、もろみを袋に詰め、袋を吊り下げてそこから垂れてくる酒をとる方法。出品酒などの高級酒に多く用いられる。こうして採られた酒は雫酒(しずくざけ)と呼ばれることもある。
原酒  割水をしていない酒。 (ただし、アルコール分1パーセント未満の範囲内の割水なら「原酒」ということができる)
 日本酒に用いる麹は、蒸した米に麹菌というコウジカビの胞子をふりかけて育てたものであり、米麹(こめこうじ)ともいう。
 これが米のデンプンをブドウ糖に変える、すなわち糖化の働きをする。

 穀物である米は、主成分が多糖類であるデンプンであり、そのままでは酵母がエネルギー源として利用できないので、麹の働きによって分子量が少ない糖へ分解しなければならない。
 言いかえれば、酵母がデンプンから直接アルコール醗酵を行うことはできないので、アルコールが生成されるには酵母が醗酵を始められるように、いわば下ごしらえとしてデンプンが糖化されなければならない。
 その役割を担うのが、日本酒の場合は米麹である。米麹は、コウジカビが生成するデンプンの分解酵素であるα−アミラーゼやグルコアミラーゼを含み、これらの働きによって糖化が行われる。米麹は、ほかにタンパク質の分解酵素も含んでおり、分解によって生じたアミノ酸やペプチドは、酵母の生育や完成した酒の風味に影響する(参照:#麹造り)。
古々酒 大古酒」に同じ
古酒 大古酒」に同じ



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酸度 酒に酸味、旨味を与える有機酸(乳酸、コハク酸、リンゴ酸など)の量を表すものです。
一般的に、この値が大きければ「辛く、こくがある」、小さければ「甘く、さっぱり」と言われる。
ただし、日本酒度と同様、味覚とは香りや、食べあわせ、体調などにより変わるので、これだけでお酒の味を語ることはできないのです。
熟成酒 大古酒」に同じ
純米酒  白米、米麹および水だけを原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好なもの。ただし、米麹の総重量が白米の総重量に対して15パーセント以上必要である。一般に吟醸酒や本醸造に比ベて濃厚な味わいであり、蔵ごとの個性が強いといわれる。
純米吟醸  精米歩合60パーセント以下の白米、米麹および水を原料とし、吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの。
 低温で長時間かけて発酵させて造る。
 吟醸香と呼ばれる、リンゴやバナナを思わせる華やかな香りを特徴とする。
 最後に吟醸香を引き出すために使用する白米1トンにつき120リットル(重量比でおよそ1/10)以下の醸造アルコールを添加する。

 吟醸酒のうち、精米歩合60パーセント以下の白米、米麹及び水のみを原料とするものを特に純米吟醸酒と言う。一般に、他の吟醸酒に比べて穏やかな香りである。
純米大吟醸  精米歩合50%以下(吟醸の場合は60%以下)の白米、米麹および水を原料とし、吟味して製造した清酒で、吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵する。
 固有の香味及び色沢が特に良好なもの。
 最後に少量の醸造アルコールを添加する場合がある。
フルーティで華やかな香りと、淡くサラリとした味わいが特徴。

 大吟醸酒のうち、精米歩合50パーセント以下の白米、米麹及び水のみを原料とするものを純米大吟醸酒と言う。一般に、他の大吟醸酒に比べて、穏やかな香りで味わい深い。
雫酒 雫しぼりなどで採られた酒
雫しぼり 上槽時、もろみを袋に詰め、袋を吊り下げてそこから垂れてくる酒をとる方法。出品酒などの高級酒に多く用いられる。こうして採られた酒は雫酒(しずくざけ)と呼ばれることもある。
精米歩合  酒造りの米は、玄米から糠・胚芽を取り除き、さらに胚乳を削るが、削られた割合をあらわすのが精米歩合である。
 本醸造酒は精米歩合70パーセント以下の白米、吟醸酒は60パーセント以下、大吟醸は50パーセント以下の白米を使用する。
 パーセントの数字が小さいほうが余計に削ったことを意味する。
責め 押し切り」に同じ



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大吟醸  精米歩合50%以下(吟醸の場合は60%以下)の白米、米麹および水を原料とし、吟味して製造した清酒で、吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵する。
 固有の香味及び色沢が特に良好なもの。
 最後に少量の醸造アルコールを添加する場合がある。
フルーティで華やかな香りと、淡くサラリとした味わいが特徴。

 大吟醸酒のうち、精米歩合50パーセント以下の白米、米麹及び水のみを原料とするものを純米大吟醸酒と言う。一般に、他の大吟醸酒に比べて、穏やかな香りで味わい深い。
特別純米  通常、純米酒は、精米歩合が70%以下とされていますが、精米歩合を60%以下にした純米酒は「特別純米」と名乗ることができるそうです。
 なお、精米歩合だけを見ると、吟醸酒と同じですが、製法が違うので吟醸酒とは名乗れません。
 また、酒造好適米を50%以上使用した時には70%以下の精米でも「特別純米酒」が名乗ることができるそうです。
特別本醸造  本醸造の規格のお酒で精米歩合が60%以下のお酒は「特別本醸造酒」と呼べるそうです。吟醸酒と同じ精米歩合ですが、製法が違うために吟醸酒ではないんです。
 それから、酒造好適米を50%以上使用した時には精米歩合が70%以下でも「特別本醸造酒」と呼べます。

本醸造の規格とは
 精米歩合70パーセント以下の白米、米麹および水と醸造アルコールで造った清酒で、香味及び色沢が良好なもの。
斗瓶囲い 上槽時、出てきた酒を斗瓶(18リットル瓶)単位に分け、そこから良いものを選ぶ方法。出品酒等の高級酒に多く用いられる。
斗瓶取り 「斗瓶囲い」に同じ


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中汲み 上槽時、荒走りの次に、中間層として出てくる部分。アルコール度や味は、ほどほどの中間点。味と香りのバランスが最も良い、あるいは荒走りより練られた味だ、とも評される。厳密には、この中取り、もしくは中汲み、中垂れという一つの段階の中にも、酒袋が槽いっぱいになるまで積まれたときに酒袋の山の自重で出てきたものと、自重に加えてさらに圧力を掛けたときに出てきたものの二段階がある。

以下3項目は、上槽時に搾りが施されている間の時期(前期・中期・後期など)で分類されるが、明確な基準はない。
中垂れ 「中汲み(なかぐみ)」に同じ
中取り 「中汲み(なかぐみ)」に同じ
生酒(なまざけ) 火入れ」をしていないお酒のこと。
生貯蔵酒  製成後、火入れをしないで貯蔵し、出荷の際に火入れした酒。
生詰酒  生貯蔵酒とは逆に、製成後、火入れをしてから貯蔵し、出荷の際には火入れをしない酒
生酒(なましゅ)  滓下げを施した上澄みの部分を「生酒」(なましゅ)という。
 「生酒(なましゅ)」その後、雑味を取ったり殺菌のために、滓下げ、濾過、火入れなどの処理がされる。なお、このうち「火入れ」の処理をしないものを「生酒(なまざけ)」と言う。
にごり酒  上槽の際に粗い目の布などで濾して、意図的に滓を残したもの。火入れをしない場合は瓶内部で醗酵が持続し、発泡性のものになる。どちらも、滓に含まれているや旨み、醪独特の濃厚な香りや味わいを楽しむために作られる。  関連:おりがらみ
日本酒度 清酒の比重を示す単位。
日本酒の辛口甘口の目安。
プラスの数値が大きいほど端麗で辛口、マイナスの値が大きいほど濃醇で甘口。

厳密にはそれをもっと正確にあらわすのは甘辛度(あまからど)である。
ただし、味覚とは香りや、食べあわせ、体調などにより変わるので、日本酒度や甘辛度だけでお酒の味を語ることはできないのです。


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火入れ 火入れ(ひいれ)とは、醸造した酒を加熱して殺菌処理を施すこと。
この処理をしていないお酒は「生酒(なまざけ)」と言われる。
秘蔵酒 大古酒」に同じ
ひやおろし  ひやおろしとは、冬季に醸造したあと春から夏にかけて涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ、気温の下がる秋に瓶詰めして出荷する酒のことである。
 「あきあがり」とも言う。
袋吊り  上槽時、もろみを袋に詰め、袋を吊り下げてそこから垂れてくる酒をとる方法。出品酒などの高級酒に多く用いられる。こうして採られた酒は雫酒(しずくざけ)と呼ばれることもある。
袋しぼり 「袋吊り」に同じ
本醸造  精米歩合70パーセント以下の白米、米麹および水と醸造アルコールで造った清酒で、香味及び色沢が良好なもの。
 一般的に味は軽くなり、すっきりしたものとなる。


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無濾過 活性炭濾過による香味調整をしない酒。


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山卸  酒母づくりの手法の一つである「生もとづくり」の一工程で、蒸米、米麹、水を浅い桶の中に入れて櫂棒ですりつぶす作業のこと。
山廃仕込み  「生もとづくり」の工程から「山卸」を廃止したもの。 
 「生もとづくり」同様、この手法により作られた酒母を使うと、コクのある酒が作られると言われている。


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                         お酒の製造工程

精米 → 放冷・枯らし → 洗米 → 侵漬 → 蒸し → 麹造り → 酒母造り → もろみ造り → アルコール添加 → 
上槽 → 滓下げ(1回目) → 濾過(1回目) → 火入れ(1回目) → 貯蔵・熟成 → 滓下げ(2回目) → 濾過(2回目) → 
割水 → 火入れ(2回目) → 瓶詰・出荷

精米  玄米から糠・胚芽を取り除き、あわせて胚乳を削る。削られた割合は精米歩合によって表わされる。
放冷・枯らし  精米後の白米を次の工程で使用されるまで放置すること。
 杜氏・蔵人の言葉では枯らし(からし)という。
洗米  精米の過程で表面に付いた糠・米くずを洗って除去すること。
侵漬 洗米した米を、水に漬け水分を吸わせること。

蒸し 麹の酵素が米のデンプンを分解しやすくさせるために、浸漬した米を蒸すこと
麹造り 麹とは、蒸した米に麹菌というコウジカビの胞子をふりかけて育てたもののこと。
麹は、米のデンプン質をブドウ糖へ変える糖化の働きをする。
現在、たいてい酒蔵には麹室(こうじむろ)と呼ばれる特別の部屋があり、そこで麹造りが行なわれている。
杜氏や蔵人のあいだではよく「一、麹。二、?(もと)。三、造り。」と言われる。「よい麹ができれば酒は七割できたも同然」という杜氏や蔵人もいるくらいで、酒造りの根本として重要視される。
酒母造り  酵母を増やす行程のこと。
 酵母にはブドウ糖をアルコールに変える働き、すなわち醗酵作用がある。

 酒蔵では、特定の環境で大量に育てており、このように大量に培養されたものを酒母(しゅぼ / もと)または「もと」という。

 作業としては、
@桶もしくはタンクに、麹と冷たい水を入れ、それらをよく混ぜる。
A@に醸造用乳酸と、酵母を少量入れる。
 (あとに説明する「きもと」系、山廃仕込みの場合は、醸造用乳酸は加えない)
BAに蒸し米を加える
  製法によって2週間から1ヶ月待つと、仕込まれた桶のなかで酵母が大量に培養され酒母すなわち「もと」の完成となる。

 酒母造りは桶やタンクを使うが、それらのフタは開け放しにしておくため、空気中からたくさんの雑菌や野生酵母が容易に入り込んでくる。そのため乳酸菌などを加え、乳酸を生成させることによって雑菌や野生酵母を死滅させることが必要となる。
 この乳酸を、どのように加えるかによって、酒母造りは大きく次の2通りに分類される。

「きもと」系
「きもと」系(きもとけい)は、乳酸菌を自然から取り込み,乳酸を作らせる古来からの伝統的な製法。所要期間は約1ヶ月。しかし、腐敗のリスクが大きく、時間も労力もかかるので敬遠される傾向にある。

山廃仕込み(やまはいしこみ / -じこみ)
「きもと」系に属する仕込み方の一つで、「きもと」系の過程のひとつである「山卸」を廃止した仕込み方 。
「山卸」とは、蒸した米、麹、水を混ぜ粥状になるまですりつぶす工程であり重労働である。
山卸の廃止を略して「山廃(やまはい)」と言っている。

速醸系
速醸系(そくじょうけい)では、乳酸を人工的にあらかじめ加える、近代的な製法。
所要期間は約2週間。現在造られている日本酒のほとんどは、速醸系である。工程は以下のとおり。
醪(もろみ)造り  醪(もろみ)とは、仕込みに用いるタンクのなかで酒母、麹、蒸米が一体化した、白く濁って泡立ちのある粘度の高い液体のこと。

 醪造りを単に「造り」と呼ぶこともある。「一に麹、二に「もと」、三に造り」というときの「造り」はこれを意味している。

 作業としては、酒母と水を混ぜたものに、蒸し米と麹を加える。蒸米と麹は3回に分けて加えられ、これを段仕込みもしくは三段仕込みという。

 吟醸系(吟醸酒・大吟醸酒)と非吟醸系(それ以外の酒)は、この過程において以下の二つの点が異なる。

吟醸香
 精米歩合の高い(精米のときによく削られたということ)麹米・掛米から造られた醪は、酵母が生きていくにはよい環境ではない(酵母が生きるための栄養が少ないため)。
 そのため、酵母はその環境で生存するために、それら自身がアミノ酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸を生成する。これらの中で、揮発性のものが独特の吟醸香を構成する。米が削り込んであればあるほど、酵母は苦しんで、吟醸香を出す。

温度管理
 酵母がブドウ糖からエネルギーを得る(発酵)際に、熱が放出されるが、その熱は醪の中の化学成分、特に有機酸に 影響を与えて、雑味となる成分を生成してしまう。
 雑味を抑えるためには、醗酵熱が放出されてもなお35℃を下回らなければならないとされている。そのために、日本酒造りは冬の寒い時期に行われることになった。
 現在、通常の造りは15℃前後に熱を抑えるのに対し、さらに有機酸への影響を多く考えなくてはならない吟醸系の場合は10℃前後が目安とされる。
アルコール添加 上槽の約2日前から2時間前にかけて、ゆっくりと丹念に30パーセント程度に薄めた醸造アルコールを添加していくこと。
上槽  醪(もろみ)から生酒(なまざけ)を搾る工程である。
 白米・米麹などの固形分と、生酒となる液体分とに分離する。なお、固形分がいわゆる酒粕(さけかす)になる。
 普通酒、本醸造酒、純米酒は、そこで醪自動圧搾機(もろみじどうあっさくき)や遠心分離機(えんしんぶんりき)などの機械で搾られる。
 吟醸酒のように丁寧な作業を要する酒は、昔ながらの槽搾り(ふねしぼり)、袋吊りなどの方法で搾られる。
滓下げ  滓下げ(おりさげ)とは、上槽を終えた酒の濁りを取り除くために待つこと。
 搾り出されたばかりの酒は、濁った黄金色をしている。この濁りの成分を滓(おり)といい、これらを沈澱させるため、酒をしばらくタンクのなかで放置する。
 滓下げを施した上澄みの部分を「生酒」(なましゅ)という。「生酒」(なまざけ)とは別の概念なので注意を要する。
 完成酒を生酒(なまざけ)や無濾過酒(むろかしゅ)に仕立てる場合などは異なるが、大多数の一般的な酒の場合、上槽から出荷までには二度ほど滓下げを施すことが多い。
 第一回目の滓下げをおこなったあとの生酒(なましゅ)にも、まだ酵母やデンプン粒子などの滓が残っているのがふつうで、雑味もかなりあり、これらを漉し取るために次の濾過(ろか)の工程が必要となってくる。
 近年では、消費者の「生」志向に乗じて、滓下げ以降の工程を施さず無濾過生原酒として出荷する酒蔵もあらわれてきている。
濾過
濾過(ろか)とは、滓下げの施された生酒(なましゅ)の中にまだ残っている細かい滓(おり)や雑味を取り除くことである。液体の色を、黄金色から無色透明にできるだけ近づける目的もある。

なお、この工程をあえて省略して、無濾過酒(むろかしゅ)として出荷する場合も多い。
火入れ 火入れ(ひいれ)とは、醸造した酒を加熱して殺菌処理を施すこと。
貯蔵・熟成 熟成(じゅくせい)とは、貯蔵されている間に進行する、酒質の成長や完成への過程をいう。上槽や滓下げのあと、目的とする酒質によっては濾過や火入れを経ないものもあるが、通常それらの工程を経た後に、さらに酒の旨み、まろみ、味の深みなどを引き出すためにしばらく貯蔵(ちょぞう)される。

特に、火入れを経過させない酒においては醗酵が止まっておらず、調熟作用(ちょうじゅくさよう)といって、アミノ酸分解や糖化により風味の自然調和が続いている。そのため、調熟作用によって最終的にその酒の持ち味を生み出している銘柄では、すぐに出荷せず貯蔵・熟成させるのは、欠かすことのできない工程の一部である。

日本酒は、牛乳などと同じく、新鮮さが命である。生酒はもちろんのこと、そうではない火入れをしてある酒であっても、原則的には出荷後はできるだけ早く飲んだほうがよい。しかし、そのことと出荷前に熟成の期間をおくことは別問題と考えなくてはならない。むしろ貯蔵・熟成の期間をおいて、最高の酒質になったときを見計らって出荷されるがゆえに、出荷後はできるだけ早く飲んだほうがよいと言われるのだ、と理解されるべきである。

吟醸系の酒は、香りや味わいを安定させるために、半年かそれ以上、熟成の期間を持たせるものも多い。しかし、いちいち古酒、古々酒といった表示をするのは、吟醸の品格からして無粋であるというような感覚から、そういった表示はラベルにされないのが通常である。

また非吟醸系であっても、本醸造酒や純米酒では、酒蔵のある風土の自然条件、仕込み水の特徴、杜氏が目的とするコンセプトなどさまざまな理由から、長期間貯蔵して熟成させるものがある。
割水 割水(わりみず)とは、熟成のための貯蔵タンクから出された酒へ、出荷の直前に水を加える作業をいう。単に加水とも呼ばれる。
この工程の目的は、酒のアルコール度数を下げることにある。

通常、割水をする前は20度近いアルコール度数となっている。

いっぽう、割水をしないで出荷する酒のことを原酒(げんしゅ)という(ただし、アルコール度数の変化が1パーセント未満の加水は認められている)。
瓶詰・出荷