途上国経済(2007年度)
試験結果、成績優秀者および講評 
               2008年3月6日(木曜日)山崎圭一
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1 試験結果(平均点など)             2 成績分布                  



 

総合成績(100点満点)
 

期末筆記試験(70点満点)
 

出席点
(20点満点)

 








 

 

実数(人)

構成比

構成比

90〜100点:

19

10

  9

平均点

74.9

53.1

12.2

80点台:

56

30

 26

標準偏差
 

12.9
 

10.0
 

 4.7
 

70点台:

59

31

 27

60点台:

34

18

 16


50点台:

11

  6

  5

49点以下:

 9

  5

  4

試験欠席者

28

 

 13

合計
 

188人
 

100%
 

100%
 
3 成績優秀者(総合点)
            ↓点数
1   97.5
1   97.4
3   96.8
3 インターネット版 96.3
5 では、氏名を   95.1
5 削除しました。  95.1
7   94.8
7   94.2
7   94.1
10  93.7
11  91.6
 
4 レポート:
 全体に適切にかかれていたが、とくに秀逸だという印象を 受けたのは、I.T.君のレポートであった。なぜ秀逸だと感じたかというと、私の著書での「潜在能力論」の説明でわかりにくい点があることを指摘していた からである。たしかにいわれてみると、説明不足の面もあるし、さらに深く議論していく必要のある問題であるにもかかわらず、初心者向けの浅いレベルの説明 でおわっているので、かえって混乱をまねいた嫌いもある。そこをついたコメントを含んだレポートであった。

5 試験の正答と講評
<設問1(正誤判定)>
 正答は1番から順に、C、D、A、A、B、D、C、B
 とくに7番と8番は、ほとんどの人が間違っていた。7番は有償資金援助 の原資は何かという問題で、この4つの選択肢の中では郵貯と回答するのがベストである。税金も皆無とはいえないが、税収を原資とするのは、主には無償資金 援助のほうである。8番のTIのCPI(corruption perception index)に関する問は、難しかったかも知れない。汚職度合いをビジネスマンなどの「認識」で判断する理由の1つは、一見客観的とおもわれる、新聞報道 の数などの指標に、問題があるからである。汚職報道が増えたことは、摘発の増大の反映でもあり、汚職撲滅努力が増大した結果ともいえるので、透明性の向上 ともいえる。こうした一見「客観的」な指標が、かならずしもその国の透明性の指標とはいえないのである。
<設問2(キーワード説明)>
 A.センのケイパビリティ論と、「帝国主義」についての簡単な説明をも とめる設問であったが、大目にみて、できるだけ部分点を与える方向で採点した。後者については、超大国・支配国を米国1国とみるか、複数の先進国がそれに あたるとみるかなど、見方がわかれる論点がいくつか存在するイシュウである。
<設問3(論述問題)>
 途上国のかかえる問題、矛盾、課題について、原因、状況、対策の3局面 にわけて論じなさいという趣旨の問題であった。原因、状況、対策の3つにクリアにわけてかくことが難しかったようである。その点の不十分さについては、か なり大目にみて、全体として論旨がとおった論説になっていれば、点数を与える方向で採点した。
 全体に具体的に議論が展開されていてよかったが、気になった点は、問題 解決の対策として、ODA論を展開した人が非常に多かったことである。途上国の問題を、ODAではなく、途上国内部の努力で解決することについての展望を 示した人は非常にすくなかった。私の講義の本来の目標は、脱ODAであった。途上国みずからが、どのように経済的に、また政策的に、先進国から自立できる かを展望しつつ、講義をすすめたつもりであったが、わたしの説明不足からほとんど伝わっていなかった。この点は今後の講義の反省材料としたい。