ここで再びお勉強タイム.
 それではこの東の川局は一体何が珍しいのか.

 それは
オフラインであること! ただそれだけです.

 現代ではどこの郵便局へ行っても預金・出金・振込みはATMなどを通じて
 全てオンライン処理、つまり電話線を使って本社のホストコンピューターに情報を送り、
 お金の移動は全てコンピューターに記録されるます.
 もはやこれは常識的に行われていることです.

 ですが、東の川局は、オンライン云々以前にそもそも
電話線が来ていない!
 これは場所が山奥過ぎて電話線が引けないだからだそうです.
 仮に電話線を引けたとしても、この地域は日本一の多雨地帯.
 台風もよく通りますし、万が一取引中に断線すれば
 金銭移動の記録が残らないことになります.
 
 日本全国、どこでも常識的に行われていることができない唯一の場所、
 それが東の川局なのです. 

 ちなみにここの局にある電話は衛星電話(南大東島と一緒...).
 そして郵便業務の全ては、局長代行さんの手作業で行われます.
 (左)
 1番左の赤い壁の建物が東の川局.
 左の写真の赤い橋と右の写真の橋は同じ.
 (右)
 丘の上にある東の川局に行くには、電車並みのスイッチバックを越えなければいけません.
 もちろん車なら途中で切り返しなどできませんから、下に停めて歩くのが賢明でしょう.

 くろまるは上まで車で行きましたが(・∀・)b
 (左)
 こんな味のある郵便局、全国的に見ても稀ではないでしょうか.
 (右)
 看板も手書き.
 (左)
 東の川局が行き難い一番の理由
 ・平日のみ  ・9時〜14時半まで  ・盆正月は休業

 ここでは交通反則金も払えるそうですね.
 今度捕まったらここで支払おう(^^メ)
 (右)
 中ももちろん映画のセットのような感じ.
 数十年間、この郵便局を守り続けている局長代行さん.
 平成の世にこんな郵便局が残っている事は、もはや奇跡的.
 参考までに年間の取引数は約600件ほど.
 そのほとんどが旅行貯金目的だそうです.

 そんな稀少郵便局も、平成17年3月をもって幕を閉じることになったのです.