コイ科魚類2種の正常変異内の2例について
吉 安 克 彦
カ ワ ム ツ
Zacco temmincki
コイ科ハエジャコ亜科オイカワ属
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無 縞 ( む こ う ) 型 |
標 準 的 な 型 |
カワムツ Zacco temmincki
採捕年月日 '07.1.1
採捕河川 : 和歌山県田辺市、冨田川水系 371号線沿いの石船付近
カワムツの一般的な特徴である体側中央に暗藍色の幅広い縦条が殆ど見当たらない個体(無縞型)が見られた。
また、このような個体は冨田川の他の支流鮎川集落の小川でも出現する。
タ カ ハ ヤ
Phoxinus oxycephalus
コイ科ウグイ亜科アブラハヤ属
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無 斑 点 型 |
標 準 的 な 型 |
タカハヤ Phoxinus oxycephalus
採捕年月日 '06.9.25
採捕河川 : 江ノ川水系西城川支流 比和川支谷元常川
近似種・アブラハヤと異なり、体側の暗色小斑点が広く分布していることが多い。また、ここに挙げた標準的型
では見当たらぬが、変異内の個体には 多くのものは体側中央部に黒色縦帯が見られ、それはアブラハヤの場合と比
べると淡く幅広く、肩部から尾柄まで比較的はっきりしているものの肩部より前方は不明瞭なことが多いなどの特徴がある。
しかし、アブラハヤとの微妙な差異は言葉では言いつくせないように思える。
ここに挙げた地色は普通であるが、前述の暗色小斑点や黒色縦帯はまったく見当たらない無斑点個体を掲載します。このよ
うな個体は鳥取県の日野川水系本谷源流でも時おり見られる。
挙げた理由は一般の図鑑などでこのような個体の説明や写真が見当たらないことと、私の考え方では突然変異の範疇では
なく、これらは飽くまで正常な変異巾のものであることを付記いたします。
( 日本魚類学会員、元日本水産学会員、医師 )
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