晋 山 式

三十三年に一度の聖観世音菩薩の御開帳とともに
平成十一年四月十八日に執り行なわれました。

こちらはそのときの模様です。

@晋山式当日は夜明けからぽつり、
ぽつりと降り出した雨も、朝には本
格的になり、テントを境内中に張り巡
らせていただきました。
役員の方には午前七時にお集ま
りいただき、各部所へと御移動いた
だきました。お稚児さんの準備のた
め、体育館の係の方、駐車場の方
には一方ならぬご苦労をおかけしま
した。午前八時に寺院が集合され、
八時十五分に新住、法事司の法蔵
寺さま、侍者、式衆の正法寺さま、
薬師寺さま、宝樹院さまはワゴン車
にて親元である総代の中野義雄氏
宅へ出発。


灌頂を受ける稚児

A親元さんでは雨の中、傘をご用
意いただくとともに、篤いおもてな
しをいただき、仏参廻向をさせてい
ただきました。
九時三十分から予定されていまし
た西浦北小学校よりの稚児行列は雨のため、各々でお寺まで来ていただくこととなりました。本堂正面にて、お稚児さんの頭に法水をいただく灌頂の儀式が行われ、お足元の悪い中、四百二十一のお稚児さんと付添いの保護者の方で賑わい
ました。


記念の数珠を授かる稚児


仮設の山門での開門式

B十時からは「開門式」が行われました。当山には山門がありませんので、仮設の山門をつくり、その前で山門を開く法要を勤め、法事司さんの「御開門」で門を開き、 一歩を踏み締めました。また、開門と同時に本堂裏手にあります喚鐘が響き渡りました。
次に御開帳の準備のためにロウソ
クを新しい朱のものと交換していた
だきました。お祝い事の仏事には
朱のロウソクを用います。十時二十
分より聖観世音菩薩御開帳法要が観音堂で行われました。三十三年に一度の御開帳ということで、雨の


新住、本堂へ入堂

C中、多数お参りがありました。観
音経を奉読させていただく中で、正
面の扉を開かせていただきました。
時間も十時四十五分を迎え、晋山
法要の準備が始まりました。役稚
児さんに法要中にお供えする、ロウ
ソク、仏花、紅白饅頭、おこわの奉
納の説明があり、ロウソクを新しい
朱のものと交換していただきました。
十一時より晋山法要が始まりました。
式衆、擁護衆、本山使僧という多数
の御寺院が着座される中、伶人の
奏でる雅楽の中、新住は本堂正面よ
り法事司に引接されて入道場させて
いただきました。
D新住は外陣に着座の後、本山使
僧より「辞令伝達」がなされました。
新住は前三后一の礼拝にて、恭しく
辞令を受け取り、法事司より仏前に
お供えいただきました。続いて、法
類であります正住院さまより「過去
帳授与」がなされました。新住は前
三后一の礼拝にて尊い過去帳を受
け取りました。この過去帳を手に新
住は二畳台に着座し、この日のため
に京都の親友から送られた沈香を
焼香しました。


洞雲寺住職の辞令伝達

E無言で行う仏法僧への敬礼の三拝の後、奏楽の漂う中、役稚児さんによります献灯、献華、献供、献香が各々二名づつ出られました。役稚児は下記の九名でした。
磯村 美奈さん
小島 萌さん
土居 千紗都さん
服部 陽奈さん
岡田 真波さん
鈴木 由衣香さん
神谷 章穂さん
吉田 まみさん
磯部 綾華さん


役稚児による供物奉納


道場を浄める洒水の儀式

Fそして、いよいよ二十六世の法
灯を継承する式は心経により道場
を清浄にし、晋山疏奉読へと移り
ます。御寺院、檀信徒、役員、関
係者が見守る中、晋山疏を奉読さ
せていただきました。

晋 山 之 疏

謹み敬って三世常住周遍法界摩
訶毘盧舎那如来 西方願王阿弥
陀如来 発遣教主釈迦善逝乃至
三国伝灯伝戒の諸大祖師等一切
三宝別しては当山開基以来歴代の諸上人に白して言さく。
先に当山第二十五世遷化せられ
不肖その法灯を継ぐ可く関係各位
の推挙を忝くするも、浅学非才そ
の器に非ざるを愧ず。然りと雖も法
灯の絶えん事を恐れ、不肖を省み
ず本日の吉祥を卜して晋山の式典
を挙ぐ。
抑々当山は寛永の頃、開山善海
法師此の地に堂宇を開創して浄土
の法門を開闡せられしより今日ま
 


晋山之疏を奉読

Gで四百五十余年の間法灯連綿と
して継承せらるる事二十五世、等し
く厳護法城十方檀越の外護篤信の
賜、まことに瞻仰報謝措くこと能わ
ざる所なり。
然るに不肖無学浅才、三学全く欠
け五徳一も備わらず、解行更に至
らずして茲に第二十六世の法灯を
継ぐ事は衷心慚愧に堪えざる所な
り、然りと雖も仏祖の照鑑と歴代上
人の冥助を仰ぎ、法類組寺の先徳
を始め檀信徒各位の擁護指導のも
とに奴馬に鞭ち不惜身命勇猛精進
仰で慈恩に報答し伏して法城を厳
護し法門を開闡し、祖徳を昴揚せん
ことを至誠を以て宣誓し奉つる。
仰ぎ冀くは一切の三宝この道場に
降臨影向し、法孫某が微沈を哀愍
納受し加被護念を垂れ給わん事を
至心に懇念し奉つると爾云。

維 時 平成十一年四月十八日
            
御嶽山 洞雲寺 第二十六世
         沙門 光空順基 敬白
H続いて、お経が読まれる中、正
面にて役員さんにご焼香いただき
ました。立ち上るご焼香の煙に、
皆さまの願いが御仏に届く想いが
しました。次に回願十念をささげま
した。 
・来迎願王阿弥陀如来
発遣教主釈迦牟尼如来
六方恒沙証誠諸仏等
一切三宝広大慈恩
・当山開山善海上人、
並びに歴代々之諸上人倍増法楽
・当山檀信徒各家先祖代々一切
精霊、過去帳所録の諸精霊追善
増長菩提
ありとあらゆる仏さまに、当山の開
山から今まで寺院を護持してこら
れた住職に、そして今日に至るま


役員による焼香

Iで護持してこられた檀信徒の先
祖先亡に心を込めてお念仏をささ
げました。
法要が滞りなく終わり、新住挨拶
をさせていただきました。
「やっと祖母がこの日のためにと
つくっていただいた七条袈裟をつ
けることが出来ました。」と感無量
の中で口から想いがこぼれました。
次に祝辞を御本山の法主、常楽
寺さまからいただき、身に余る光
栄でした。また、祝電も本山、檀
林寺院、支所、布教師会、青年会
から十通程賜り、ご披露させてい
ただくとともに御仏前にお供えしま
した。最後に執行委員長でありま
す総代の新居毅さんに謝辞をいた
だき、晋山式は幕を降ろしました。


歓喜の中で新住挨拶

 


ご縁をいただいた御寺院、役員とともに記念撮影

 


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