弘法大師

 

弘法大師の御利益

第六十二番の洞雲寺の御詠歌は、お大師さまの不思議なご縁がもとで詠まれたものです。
鳴海に住んでおられた木村徳蔵さん、この方が昭和の初期に重い胸の病気にかかりました。
病床中、夢現の時、
「吾は六十二番の大師なり。」
とおっしゃられるお方に納経帳で胸を撫でられた為、不思議に思い目が覚められました。
そこで、夢で見たお方の様子を周りの方に話しますと、もしや、知多四国のお大師さまでは
なかろうかとお聞きしましたので、縁ある方に納経帳を借りまして六十二番を開きますと、そ
こに洞雲寺とあり、夢で見たままのお大師さまの姿があったのでございます。
早速、家族の者にお参りをお願いしますとたちまちに病は薄れました。病気全快の後、七日
間、当山に泊まり掛けで、お大師さまの寳前に報恩感謝(お礼参り)の祈願されました。その
後、ご縁を歓び篤信者となり、二十数年間にわたり「鳴海木村団体」と称せられ参詣されまし
た。また、御詠歌にも通じておられましたので、この利益を喜ばれ、


 
東浦 日間賀しの島 西浦に 

       大師の垂水 あ利がたくうく

と納められました。お大師さまに助けていただいた心を、地名の「樽水(たるみ)」と病を薄れさす
ご縁のお水をいただいた「垂水(たるみ)」をかけられ、歓喜の「有難い」とご利益が堅いの「あ利
がたい」をかけられて二重の喜びをあらわしたご詠歌でもあるのです。

木村徳蔵さんは昭和三十年四月十五日に七十七歳の天寿を全うし往生されました。
 

 


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