1.仕様書
技術者としては必ずおめにかかる文書ですね。これはお客さんに渡すことになるので、十分に注意が必要です。後で紛争になったとき責任がどちらにあるか決定的な証拠になります。でもメクラ判になることもありますからね。いっておきますがlこれは「法的文書」ですよ。

2.文書の体裁どおりに
たいてい、仕様書とか、設計図とかは承認、検査、作成と3者の署名欄があります。ちゃんと3名で書いてますかな?よくて2名。へたすると、承認者が設計からなにかまで全部やって署名なんてことも。これは3者で確認すれば問題発生が少ないから設けてあるのですよ。それを一人でやったら、間違いがそのまま社外にでてしまいますからね。

3.回路図
回路図も何年かたつと、「これどんな機能だったけ?」ということになります。だから、機能を書いておく必要があります。沢山の機能部分からなりたっている回路図の場合、その機能部分ごとに「6dBアンプ」とか名前をつけておきましょう。そうすると、思い出しやすいですから。

4.承認図
部品の承認図は法定の文書としての扱いが必要です。最終的にどこが責任をもつかというときに重要になってくるからです。でも訴訟はやめましょう。負けるが勝ちなんて時もありますから。

5.取扱説明書
最近は製造物責任が厳しく問われるようになりました。だから、製造物責任を問われないよう、してはいけないことを列挙するようになりました。当たり前のことまで禁止する文章をいれないといけなくなりました。

6.日付を忘れずに
契約書とかに忘れがちなのが日付。いくら契約したしても、日付がなければ、意味がありません。契約書に限らず、大事なのは日付。いつ意思決定したのかも記録として必要だからです。
取扱説明書にもわからないように日付をいれておきましょう。たとえば2006年3月に改定したら、目立たない場所の0306とか、3月が3番目の月なので、C06とかをいれておきます。社外の人は何の記号かわかりませんが、社内の人はわかります。

7.改定情報
各種図面には内容を変更したりするときのために、版数と改定情報を書く欄があります。できるだけ具体的に書かないと、後でなんでこんな改定をしたのだろうとなります。

8.購入仕様書
こちらは、機能部品の購入にさいして、相手側と取り交わす文書になります。大きさとか入出力のレベルとか、製造時でトラブルが発生したときに重要です。忙しいと、ついつい作成しないことになりますが、量産過程で問題が生じたとき、どちらに責任があるかの決め手になります。

9.出図印
ハンコはただ押すものではありません。図面は複数の取引業者に渡すことがあります。当然、これらの図面は秘密を守ってもらうようになっているのが通常です。そこで、業者ごとに、ハンコの位置を変えておきます。A社には左下、B社には右下というふうにです。それで図面が外部に流出したことがわかったとき、どの業者が秘密を守れなかったかがわかります。