1 ゼミの目標
- 途上国の経済は、市場、政府(財政)、産業組織、地域共同体
- など多くの角度から切り込むことができよう。本ゼミでは各国の
- 財政(とくに都市財政)に焦点を当てて、途上国経済分析に取り
- 組む。ゼミ生の最終目標は卒業論文(以下卒論)だと思う。専門
- 的テーマとくに財政・地方財政関係のテーマを選択するよう奨励
- している。「インドにおける大都市財政の分析」「ブラジルにお
- ける地方財政危機」「アフリカの都市住宅政策」(あくまで例)
- などを主題にした卒論を希望する人を歓迎する。ラテンアメリカ、
- アフリカ、南アジア、島嶼国に関心のある人を歓迎する(とくに
- ラテンアメリカ)。卒論執筆言語は英語のみ認めている(留学生
- は別)。ゼミ報告、レポート、卒論はコンピュータ(またはワー
- プロ)で作成・印字されたものだけを受け付けている(手書き原
- 稿不可)。コンピュータの購入については、適宜相談にのる。以
- 上要約すれば、「途上国地方財政に関する英語論文をコンピュー
- タで作成する」ことがゼミの目標である。
2 ゼミの進め方
- (1)文献
- 次の文献を「各自書店で」購入すること。
- ・高橋誠/柴田徳衛『財政学(第2版)』有斐閣(参考書として)
- ・佐藤進/林建久『地方財政読本(第4版)』東洋経済新報社
- (輪読テキストとして)
- 3年次前半は日本語で、後半以降は英語でゼミを行っている。
- (2)卒論執筆
- 次の文献を購入すること(研究室で一括調達)
- ・WilDTam Strunk Jr. and E.B.White, The Elements of Style,
- Third edition,Macmillan PubDTshing Co.,Inc.
- (1050円前後)
- その他資料を適宜配布して、とくに4年次に具体的に執筆指導を行う。
- (3)イベント
- 合宿、他大学ゼミとの合同合宿、国内の地方自治体へのヒアリング、
- 途上国からの留学生との交流会などを適宜実施している。
- (4)その他
- パソコン通信で事務連絡をしているので、商業ネットワークやいわゆ
- る「プロバイダー」と契約をして、電子メールのアカウントを取得する
- こと(ゼミ加入後でもよい)。
3 求める人物像
- 個性重視。
4 ゼミ面接の要領
- (1)日本または特定の途上国の経済について、その問題点を詳しく
- 論じなさい(日本語)。
- (2)大学での課外活動や趣味などに触れながら、自己アピール
- をしなさい(日本語)。
- (3)B5用紙1枚に簡単に英語で自己紹介を書いて、面接時に提出
- しなさい。
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ゼミ紹介(1996年度までの紹介文)
1、ゼミの特徴
- 途上国経済を中心に勉強します。しかし、途上国経済論というのは新しい分
- 野ですので、先進国理論も勉強しなければなりません。先生がゼミ生を教える
- という形ではなく、先生と学生が経済学について「一緒に悩む」という感じの
- ゼミです。最適解は簡単には見つかりません。「悩む」とは言いましたが、方
- 法論上の立場が曖昧だという意味ではありません。まだ日が浅く、みなさんと
- 一緒につくっていくゼミです。なお「先輩・後輩」関係が希薄です(この「先
- 輩」「後輩」はこのゼミでは死語にしたいと考えている)。
- 先日4年生に、「このゼミは何を売りにすればいいだろうか」と相談したと
- ころ、「とりあえず、英語とパソコン通信じゃないですか」との指示を得まし
- た。なおパソコンと言っても計量経済学的手法による統計分析を行なっている
- わけではありません。また、私がゼミ生と友達感覚でつき合っているので、
- 「やさしい先生」だと勘違いする人が多いのですが、皆さんに与える課題は
- demandingなので、注意してください。
2、ゼミの運営
- (1)ゼミは英語で行ないます。すなわちレジメの作成、報告、討論、卒業論
- 文作成などすべて英語で行ないます。また、他大学と交換ゼミを開催する予定
- ですが、そこで発表するレポートも英語で作成します。事務連絡は、日本語ま
- たは英語で行なっています。
- (2)ゼミ生は、必ず提出物をワープロまたはパソコンで作成して提出してく
- ださい。ワープロもパソコンも高価です。購入資金を調達するためにアルバイ
- トの時間が増えて、勉強時間が減るようでは困ります。ご父母と相談されて、
- 必要な予算を確保してください。必要な学費の提供について親と交渉できない
- ようでは、自立した大学生とは言えないのではないでしょうか。機種選定につ
- いては、相談にのります。通信モデムも用意してください。ゼミ関連の連絡は
- 基本的にはパソコン上で行なっているためです。当ゼミは「半ヴァーチャル・
- ゼミ」だと考えてください。
- (3)ゼミの参加費用
- 途上国研究は遠い国のことを勉強しますので、非常にお金がかかります。か
- なりの額の出費の可能性があることを覚悟してください(注)。たとえば教科
- 書一冊にしても、洋書が中心になりますで和書を利用する場合と比べて高くつ
- きます。先述のごとく、この出費をまかなうためにアルバイトを増やしてはい
- けません。家庭の経済事情もあろうかと思いますが、ぜひ親と交渉して資金を
- 確保してください。ゼミの2年間はすぐに終わります。それ以降は一生勤労で
- す。出世払いでいくらでも返済できます。親に借金をしてでも、この2年間に
- しかできないゼミ活動にエネルギーを費やしてください。
- 注:ただし多額の費用を要する活動への参加は強制にはしていません。
3、なぜゼミを英語で行なうのか。日本語を軽んじているのか。
- 日本語やあるいは地方の方言を軽んじているのではありません。むしろ各ゼ
- ミ生は自信をもって出身地の方言を使って欲しいと思います(標準語とブレン
- ドさせると他地方の出身者と通じやすい)。
- 重要なことは、日本人として途上国の経済、政治、文化などについて知るこ
- とです。それが、公平な国際関係に基づいた平和な地球社会を構築するための
- 第1歩でしょう。しかし1500から3000あると言われる地球上の言語を
- 数多く修得することは、普通の人間には不可能です。共通語を利用せざるを得
- ません。
- フランス語やスペイン語なども立派な国際語です。1991年12月にパリ
- でNGO国際環境会議がミッテラン前大統領の招待で史上初めて開催されまし
- た(NGOとは非政府系非営利団体)。最初事務局側はフランス語で会議を進
- めようとしました。アフリカの一部の国からの参加者には都合がよかったので
- すが、ラテンアメリカやアジアや北欧からの参加者など多くの参加者は大混乱
- しました。我々は事務局側にフランス語ではなく英語で会議を進めるよう、抗
- 議しました。全世界の人々とコミュニケーションを図るには、今のところ英語
- しかないのではないでしょうか。
4 利用テキスト
- サブゼミ(95年11月〜96年2月)および3年生
- Michael Todaro, Economic Development, Longman, 1994
- (約4500円、共同購入します)
5 選考方法:
- 英語による面接を重視します。好きな国・地域とその理由、趣味、クラブ活
- 動などについて、教官、3、4年生が一緒に質問します。英語のテストではあ
- りませんから、内容を重視することは言うまでもありません。
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