世の中には旅行貯金という趣味が存在します.
  これは郵便局を対象とした趣味の一つで、貯金窓口で出入金をする際に
  通帳の空欄となる場所へ、その郵便局のはんこを押してもらうというものです.
  郵便局は全国にあるので、貯金をしながら同時に全国旅行も楽しめるわけです.

  そんな全国各地に点在する郵便局ですが、中には何らかの理由で一部ファンから
  熱狂的に支持される、「聖地」と呼ばれる郵便局がいくつか存在します.
  その中でも圧倒的に人気があり、稀少かつ他に類を見ない個性派郵便局が

  奈良県にある
東の川簡易郵便局(以下、東の川局)なのです.

  前置きが長くなってしまいましたが、まずは東の川局まで行ってみましょう.
  続きはそれからです.
 
 東の川局は奈良県の上北山村にあります.
 ですが、アクセスは下北山村を経由しなければ行くことができません.
 下北山村まで169号で行き、バス釣りの聖地である池原ダムで425号へ分岐、
 国道は池原ダムの堰堤の上を通り、尾鷲方面を目指します.

 (左)
 この日はあいにくの天気でそこらじゅう霧だらけでした.
 堰堤にガスがぶつかって上る様子.
 (右)
 堰堤から見た池原ダム
 池原ダムから尾鷲方面に約25km走ると坂本ダムまで来ます.
 この425号という国道、酷道ファンには超有名な酷道なので
 たった25kmと言ってもかなり疲れます. 時間もかかります.

 (左)
 坂本ダム横で初めて看板が現れました.
 (右)
 さらに先に進むと出合橋という赤い橋を渡ります.
 そうするとまた看板が現れます. ここから局までは残り1.5kmです.
 東の川集落に入るとまずは廃校舎がお迎え.
 当初は「珍しい郵便局がある」という理由でここを目指しましたが、
 実際ここに来てみると、それ以上に複雑な事情を知ることになるのです.